皆さん、こんにちは。
グアテマラご神事ツアースタッフより、お伝えいたします。
「13バクトゥーン13アハウの日」
これがマヤ暦長期暦(約5200年周期)に刻まれた、暦の終わる最後の日の名前です。
考古学者などにより、この日が来るのが今年2012年12月21日なのではないか?
などと分析されてきました。
また、ひとつの長期暦が終わり、新たな長期暦がスタートする間には、
「新たな太陽を迎える」というマヤ伝承があるため、
この期間に大異変が起こるとした地球終末説とも結び付けられてまいりました。
しかし「2012年12月21日に長期暦が終わるなどとは、マヤ族は認めていない。
その日がいつくるのかは、宇宙しか知らないのだ」と、
キチェ族大長老ドン・アレハンドロは2008年より世界を回って語ってきています。
さて、そんな中、グアテマラでの事情はどうなっているのか?
マヤの著名な遺跡は、メキシコとグアテマラにありますが、
昨年来メキシコでは、この「13バクトゥーン13アハウの日」つまり今年の2012年12月21日を、
メキシコで過ごしてもらおうと、国を挙げて観光政策を打ち出していました。
そして今年になってグアテマラ政府観光局も「負けてはなるものか」と、
観光客に猛烈なアピール作戦を開始しております。
つまり「13バクトゥーン13アハウの日」(マヤ長期暦最後の日)は、
重要な観光収入という事情がグアテマラにもあるようです。
たとえば街中を散策してみると、

「13バクトゥン」Tシャツが並んでいたり、

カフェの店頭では新商品「13バクトゥン・コーヒー」が発売されたりと、広告に活用されています。
またバスの中から見たため画像はありませんが、ある車メーカーなどは、
車とピラミッドの写真をうまく合成させて、
「この車で最後の日を乗り越えていこう」みたいな見出しを躍らせていました(苦笑)。
さて、グアテマラ政府観光局のこうした動きに対して、
現地のマヤ族たちも黙ってはいません。
10月25日に配信された、以下のニュースをお読みください。
今年12月の世界終末説はうそ=マヤ団体が政府・観光業批判-グアテマラ
【グアテマラ市AFP=時事】
マヤの暦が2012年12月21日に世界が終わると告げているとする説は偽りだとして、中米グアテマラのマヤ団体は24日、世界終末説を観光振興に結び付けようとする同国政府や観光業界を批判した。
続きは
こちらで※ニュースソース時事通信
ドン・アレハンドロ長老は、世界を回って否定してきたのに、
ここに来てわが政府批判をしなければいけないとは、なんとも頭の痛いところですね。
ツアーに同行中のエリザベスさんも、アレハンドロさんも、共に来たる12月21日冬至の日は、
仲間と集まってセレモニーで祝う予定だそうです。
もちろんそのお祝いの目的は、
「ほら、言った通り何も起こらなかっただろ」というアピールでもあるのだそう。
ただ一方で、アレハンドロ大長老はツアー中にこうも語っております。
「12月21日ではなくとも、13バクトゥーン13アハウの日は、いつかは訪れます。
この最後の日が終わると新たな太陽を迎える変化の時期となり、
新たな時代を始めるためには浄化もあるとマヤ族は信じています。
新たな時代とともに歩むには、
一人ひとりが自然との調和、人々との調和に目覚めることが大切です。
その変化の波に多くの人が乗っていけるように祈リたいと思います」

イシムチェ遺跡にてメッセージを語ってくれたドン・アレハンドロ長老とエルダー、エリザベスさん。
<文責・ツアースタッフ 町田光>